【完】爽斗くんのいじわるなところ。
「ここって、花火がよく見えるのに誰もいないじゃん」


「うん……」


「こんなに見晴らしいいのに、なんで二人きりなんだろーとかって思わなかった?」


「えっと……?」


それが言いたかった話?



首を傾げながら「だれも知らないんじゃないかな」と答えると。


爽斗くんはあたしを引き寄せて。



「残念。不正解。正解はね——」



ふわりと甘い香りが鼻先をかすめて、


耳もとに、低い声が落ちるーーー。



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