【完】爽斗くんのいじわるなところ。
「……正解は、ここが心霊スポットだから」
それは、予期しなかった言葉……。
理解した途端、ぞくぞくぞくっと背筋が冷えた気がした。
思わず目を見開いて、口までぽかんと開けて爽斗くんを見あげると
その顔みたかった、と言いたそうな満足した笑みが目の前にあった。
「さ、爽斗く……、うそだよね?」
掠れるような声を出せば、
「ほんと」と、彼は笑う。
いや、いや、さすがの爽斗くんだってそんなことしない。
「うそだよね?」
「ほんと」
「うそだよー……!!!」
そこに立っている街灯も林も、なにもかももう視界に入れられない。
だってぜったいにその陰に何かいるもん……!
「だからほん・」「爽斗くんの馬鹿ぁ……!」
泣きながら爽斗くんの腕をぐいぐいと引きながら、目をぎゅっと閉じる。