【完】爽斗くんのいじわるなところ。
——目が合った、その瞬間。


後頭部を覆う大きな手に、ぐいっと引き寄せられて、甘い匂いに近づいた。


「……んっ、」


唇に暖かい感触が当たる。



驚いて目を見開くと、


彼は角度を変えて、もう一度唇にキスを落とした。



そっと優しくふれた唇が、あたしの体温をぶわっとあげてしまう。



……なに、どうして。なんで。




ちゅ、とリップ音が漏れて、キスに酔わされる。


頭がぼーっとして、くらくらする……。


とろんとした瞼が自然と下りていく。

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