【完】爽斗くんのいじわるなところ。
ぎゅっと爽斗くんのシャツを握って、もう限界になりそうなとき、
そんなあたしを知ってたかのように、自然と唇が離された。
「……は、はぁ……っ」
熱い……。
どうしよう、なにこれ。
キスしちゃった……。
両手で唇を覆ったまま、瞳だけで爽斗くんを見上げる。
熱っぽい瞳と瞳がぶつかった。
「……なに、今……なんで?」
「だから……。怖くなくなる方法って言ったよね」
キスしたのに、どうしてそんな平然と言うの……?
キスだよ……?
キス、だよ!?
「そ……そうだけど、」
「効いたでしょ」
たしかに効いたよ……、怖くないよ。
もし今お化けとか出てきても全然怖くないよ。
そんなことよりドキドキしすぎて今、倒れちゃうそうだよ……。