【完】爽斗くんのいじわるなところ。
「それより、サヤとの花火どうだった?」


「……っ、ゲホッ、ゴホッ」


不意打ちの質問にむせこんでしまった。


今あたしの頭の中に広がっているのは、爽斗くんとのあのキス。


……キスなんて、なんであたしに。


「なんか急に顔赤くなってない? ……莉愛ちゃんもしかして、サヤと付き合った……?」


「っ、まさか!」


つい大きな声が出てしまって、口を手で覆った。
今度は落ち着いて答える。


「……まさか。何も……ないよ?」


「へぇー?」


いぶかしそうに目を細める優心くん。


あたしのついた嘘なんか見透かされている気がして、後ろめたさに視線を逸らしてしまう。





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