【完】爽斗くんのいじわるなところ。
なんで爽斗くんがこんなに怒っているかって、
自分の名前が書かれてしまったからだと思うけど。
怒りすぎていて、あやまるのでさえ怖くて震える……。
「ごめんね、あたしのせいで、変な目で見られてしまって……」
しどろもどろだけど、とにかく謝りながら
引きずられるように小走りで着いていく途中、
「うざいからもう謝んな。つーか、誰かに泣されるくらいなら俺に言えばいいだろ」
予想外の言葉にあたしの言葉は遮られてしまい、目を瞬いた。
「……え? え……」
「何戸惑ってんの。この犯人は俺が絶対見つけ出す。今後こんなのあったらすぐに言えって言ってんの」
「だ、え、あ、え?」
「何語だよ」
「だって、なんで? そんなまるで守ってくれるみたいな……そんなふうに聞こえるんだけど……」
こんなこと言ったら「自惚れんな」って言われそうだけど、弱弱しく言ってしまったんだ。
すると、爽斗くんはツンと言い返した。
「……そんなんじゃない」
ほら、やっぱり……。
でもじゃあどういう意味?
ああもう、自惚れたこと言ってしまって恥ずかしい……。