【完】爽斗くんのいじわるなところ。
それから数時間。


そろそろお昼だけど、莉愛は何なら食べれんのかな。


――トントン。


ノックしても返事は返ってこない。


まだ寝てるなら寝かせておこう。


と、思った直後。


もしも、気を失っていたら。
もしも、ベッドから落ちて頭を強打していたら。
もしも、扉の目の前で息絶えるように倒れていたら。


あらゆる良くない妄想にさーっと血の気が引いて。



気付けば俺はドアノブを乱暴に引いていた。




「……莉愛っ!」


と部屋に飛びこむと。


莉愛はちゃんととベッドの中で、肩まで布団をかけて、気持ちよさそうに眠っている。



あ……。


よかった。


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