【完】爽斗くんのいじわるなところ。
空っぽになった飲み物を回収して、莉愛の額に手を置く。


……まだ熱が高い。


すると、「んんー……」と眉根をよせて、莉愛がうなされ始めた。


「……爽斗く、ん……」


何度もうわごとみたいに俺の名前を呼ぶ莉愛。


もっと可愛く言うならドキっとするのにさ。


お前、なんでうなされながら俺の名前呼んでんだよ。


悪夢に登場させてんじゃねーよ。


白けながらも俺は莉愛の体を揺さぶる。


「莉愛、起きろ。うなされてるよ」


ハッとしたように目を開いた莉愛は、俺を見て飛び起きた。


「……っ! 爽斗くん!」


「どんな悪夢見てたの」


「……すごく、嫌な夢……」


「へー……」


そんな夢に俺を出すその潜在意識どーにかしたら?


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