【完】爽斗くんのいじわるなところ。
「お前……どんな夢見たの」
「爽斗くんと絶交する夢」
「小学生かよ」
絶交って単語聞いたの数年ぶりなんだけど。
俺は莉愛の隣に腰を下ろして、ぐずぐずの顔を呆れっぽく眺める。
そんなに俺が離れんのが嫌なの?
その謎の執着心だけは、褒めてあげる。
熱い額にかかる前髪を払い、手のひらをひんやりと貼り付けながら。
愛しくてたまんない泣き顔に、俺は言う。
「俺が莉愛から離れるわけないじゃん」