【完】爽斗くんのいじわるなところ。

爽斗くんはガラガラと扉を引いて、用務室に入った。


……爽斗くんもここに用事だったんだ。



二人きりの用務室で、必要なものを探す。



「ホチキスの針と穴あけパンチと、透明テープあったよ」


「ありがとう。あたしのクラスの分まで探してくれたの?」


「は?」


「爽斗くんは何を探してる? あたしも手伝うね」


「……」



「爽斗くん? 何をとりに来たの?」



爽斗くんは視線を逸らして、後ろ首を掻いて。


それから、赤らんだ顔に睨まれた。



「……、うるさい」


「え!?」


「早くペンキ探しなよ」


ふいっと後ろを向いた彼は、他になにを探すそぶりもしない。

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