【完】爽斗くんのいじわるなところ。




そうして、喫茶店の当番を終えて、仁胡ちゃんとふたりでやってきたのは、お隣のクラス……。


「莉愛ちん? 怖いのはわかるんだけど、並ばないとお化け屋敷に入れないよ?」


「そうだよね。うん。入ろう、並ぼう」


今あたしがプルプルと小刻みに震えているのは、爽斗くんの特別なおもてなしが怖すぎるから。


ぜったいに容赦ないこと、あたしはわかってる……。


下手したら、遊園地のお化け屋敷よりも怖いんじゃないかな……。



「仁胡ちゃんにも迷惑かけたらごめんね……」


「わたしは怖い方がいいもん! たのしみーっ」


喜んでるけど、仁胡ちゃんが想像しているレベルですむのかな……。急に不安だ。


るんるんとご機嫌に並ぶ仁胡ちゃんのそばで、一度、深呼吸。



よし……。なにかあったら、あたしが、助ける。



そう決意したとき。

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