【完】爽斗くんのいじわるなところ。
……そこは、真っ暗な空間。
「……え……」
きょろきょろとあたりを見渡すけど、誰もいない。
「に、仁胡ちゃん、蘭子さん……!」
当然返事はなく。
――”これから先、4つの恐怖ポイントがあってね”
――"何回も心霊現象が起きちゃって……"
意地悪な声が再生される。
……やられた。
そこを誰の力も借りず一人で行けって、そういうおもてなしだったんだ……!
――ズル,ズル……
何だか嫌な音が聞こえてきたよ……。
音のする方を見た瞬間、真っ黒の長い髪の女が床を這っていて。
「ひゃあっ!!!」
――ガシっ
叫んだあたしの足首をつかんで、見上げる真っ赤な瞳。
目が合って……。
「……呪ってやる……っ」
女性とは言い難いひどく濁った声を放たれ、
「……」
たぶんあたしはここで倒れたんだと思う。