【完】爽斗くんのいじわるなところ。
そう言ってそっと離れて、ピントの合った視界。
爽斗くんは真っ赤に顔を火照らせて、「え」と目を瞬いて、
その動揺を全部かくすみたいに、あたしを抱きしめた。
「……何今の、へたくそなキス。何してんのお前」
「え……だって、爽斗くんも、お化け屋敷で嫌がらせって……」
「……俺そんなこと言った?」
とぼけながら、抱きしめていた手があたしの片腕を掴むと、ベッドに押し倒された。
向かい合う爽斗くんがあたしを見下ろしている。
ーードクン。