【完】爽斗くんのいじわるなところ。
たまらなくなったあたしは、体をねじって、横向きになって彼の手をかわしたんだ。
すると、どすっとすぐ背中の後ろで音がしてベッドがきしむ。
「なんか究極に眠くなってきた」
「え?」
「……このまま一緒に寝よ」
決定事項のようにそう言い切って、爽斗くんは、電気のリモコンをつかんでOFFにしてしまった。
「暗……、え……? えぇ!? 寝るって……」
「ちょうどいま日付変わったし……だから嫌がらせ。今日の分」
嫌がらせって言いながら、後ろからぎゅってされてしまった。
こんなの寝られるわけないよ……!
「さ、爽斗くん……! だめだよ……!」
「抱き枕が暴れんな」
ちゅ、っと首の後ろにキスをされて。
「……っ、ひぁ。んっ」
「そのへんな声、誰かに聞こえるよ」
「……っ、だって」
「うざい。腕の中から一ミリも動かないで。朝まで、ずっとね」
耳もとに落ちる低い声に、ぞくりとしてしまった。
そしてあたしは、馬鹿正直に固まって、瞼をぎゅっと閉じる。