【完】爽斗くんのいじわるなところ。






今……何分くらい経ったんだろう。

爽斗くんはもう寝ちゃったのかな。

薄く目を開いたちょうどその時、


「……莉愛、寝た?」


背中を伝う、彼の声にどきりとして、目をぎゅっと閉じた。



「……」


そうして、寝たふりをしてしまったあたしから、彼は腕をそっと離してしまった。



さっきは、「朝まで腕の中」って言ってたのに、もう離しちゃうなんて……。


なんだ、からかわれただけだったんだ……。


少し寂しく思いながらも、たぬき寝入りを続けていたら、髪にふわりと手のひらが載った。


爽斗くんは、あたしの頭をそっと撫でている。

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