【完】爽斗くんのいじわるなところ。
……なに、これ。
なんであたし、撫でられているんだろう……!?
嬉しいけど、嬉しいけど、これって何……!?
少しパニックになりながらも、冷静に呼吸を繰り返す。
「……莉愛、す、き」
……ん?なんか言った?
爽斗くん、すっごく小さな声で何か言ってる……?
「す。……、はぁー……」
わ、今度は長いためいきが聞こえてきた。
どうしたんだろう……?
「……なんで俺が、莉愛なんか」
なにやら悔しそうな声が聞こえてから、布団が動くのを感じた。
……もしかして、帰っちゃうの……!?
慌てて手を伸ばして、ぎゅっと彼を掴み、そのまま飛び起きる。
「行かないで……!」