【完】爽斗くんのいじわるなところ。

……なに、これ。
なんであたし、撫でられているんだろう……!?
嬉しいけど、嬉しいけど、これって何……!?


少しパニックになりながらも、冷静に呼吸を繰り返す。



「……莉愛、す、き」


……ん?なんか言った?


爽斗くん、すっごく小さな声で何か言ってる……?



「す。……、はぁー……」


わ、今度は長いためいきが聞こえてきた。

どうしたんだろう……?



「……なんで俺が、莉愛なんか」



なにやら悔しそうな声が聞こえてから、布団が動くのを感じた。



……もしかして、帰っちゃうの……!?


慌てて手を伸ばして、ぎゅっと彼を掴み、そのまま飛び起きる。



「行かないで……!」

< 315 / 388 >

この作品をシェア

pagetop