【完】爽斗くんのいじわるなところ。
置きあがったベッドで、爽斗くんは反対側を向いて横になっていた。


起きようとしたなんて勘違いで、ただ寝返りを打っただけみたい……。



「あの、ごめ……ん」


逃がすまいと掴んでしまった彼の腕をそっと離した。



「……は?」とようやく声を出した爽斗くんは、数秒の間をあけてから、ハッとしたように飛び起きた。



「……っ、お前、聞いてた……?」


目を丸くして身を乗り出す彼らしくない勢いに、たじろいでしまう。



「う……うん。”なんで俺が莉愛なんか”……って言うのとか」


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