【完】爽斗くんのいじわるなところ。
うたたねと、きみ
爽斗 SIDE
:
・
……もう一生告んない。
渾身の告白だったのに、そうとも気づかない莉愛のアホ面を思い出すだけで腹立たしい。
普通の感覚なら……好きじゃないやつに、キスする人なんていないっしょ。
「嫌がらせ」って言葉を信じ込んで、それで流されてキスなんかされて……。
ばああああああか。
そうしているうちにあっという間に、時は11月も末。
なぜか今日の気候は春のように暖かくて、昼休み裏庭のベンチに横になっていた俺は、あっという間に睡魔に襲われて、瞼をおろした。
「ねー莉愛ちん」
その声にハッとして目を開けてみるけど、この辺には誰もいない。
たぶん校舎のどこか、窓に面したところで仁胡ちゃんとあいつが喋っているんだろう。
……バカらし。この、莉愛見つけるセンサー、ぶっ壊れちゃえばいいのに。