【完】爽斗くんのいじわるなところ。
俺は莉愛の幼馴染。
だから、あいつが浮気なんてできる器じゃないことくらいわかってる。
手に入った今、束縛する理由なんてないでしょ。
小柄な体をぎゅっと抱きしめる。
「どこでも好きなとこ行けばいいじゃん。ご自由にどーぞ」
「……いじわる」
つんと尖った唇は、俺が奪ってあげる。
――ちゅ。
「……んっ」
唇が離れて、とろんとした顔が俺を見上げる。
でもそれは、すぐにしょんぼりと落ち込んでいく。
”本当にあたしのこと好き?”とか思ってそう。
だから、好きとは言ってやんないよ。
「この俺に愛されてんだから、自信もって、新しいとこ行ってきなよ」
「……! あ、愛!?」
真っ赤に火照っていく莉愛の顔も、最高。
「……違う? 莉愛には足りなかった?」
首をかしげて聞くと、ぶんぶんと首を横に振る。
「あ、愛されてます。じゅうぶん!」
「ほんとお前、欲ないよね」
すわっていたベッドに押し倒して、俺が上になる。
向かいあう莉愛の唇をうばい、そして、
「……もっと深くしていい?」
「え? 深……く?」
油断とか隙ばっか。
そんでこういうことに無知。
そういう莉愛が好き。
舌を絡めて、莉愛を求める。
莉愛のその蕩けそうな顔は、俺だけのもんだからね。
……大好きだ。
もう絶対に、離さないから。