【完】爽斗くんのいじわるなところ。


俺は莉愛の幼馴染。
だから、あいつが浮気なんてできる器じゃないことくらいわかってる。



手に入った今、束縛する理由なんてないでしょ。



小柄な体をぎゅっと抱きしめる。


「どこでも好きなとこ行けばいいじゃん。ご自由にどーぞ」


「……いじわる」


つんと尖った唇は、俺が奪ってあげる。


――ちゅ。


「……んっ」


唇が離れて、とろんとした顔が俺を見上げる。


でもそれは、すぐにしょんぼりと落ち込んでいく。


”本当にあたしのこと好き?”とか思ってそう。


だから、好きとは言ってやんないよ。



「この俺に愛されてんだから、自信もって、新しいとこ行ってきなよ」


「……! あ、愛!?」



真っ赤に火照っていく莉愛の顔も、最高。



「……違う? 莉愛には足りなかった?」


首をかしげて聞くと、ぶんぶんと首を横に振る。



「あ、愛されてます。じゅうぶん!」


「ほんとお前、欲ないよね」


すわっていたベッドに押し倒して、俺が上になる。


向かいあう莉愛の唇をうばい、そして、


「……もっと深くしていい?」


「え? 深……く?」


油断とか隙ばっか。
そんでこういうことに無知。


そういう莉愛が好き。


舌を絡めて、莉愛を求める。


莉愛のその蕩けそうな顔は、俺だけのもんだからね。




……大好きだ。


もう絶対に、離さないから。



< 384 / 388 >

この作品をシェア

pagetop