【完】爽斗くんのいじわるなところ。
すると見るからに嬉しそうにぱぁっと表情を輝かせてうなずく莉愛を見て、


やっぱどこにも出したくないなって思ったのは、絶対に内緒。



「何うれし泣きしてんの、泣き虫」


「でもあたしが泣くと……嬉しいんでしょ?」


「……すげー好き」


「……っ、いじわる」



ねぇ、そこの可愛い人。



「どこ行ってもいいけど……毎日ぜったい、俺んとこ帰ってきて」



抱きしめる腕の中、


「当たり前だよ……。爽斗くんも、たとえば女の子と会うことがあったとしても何もしないで、あたしのところにちゃんと帰ってきてね?」


って、まだ自信なさそうな莉愛の声に、思わず笑みがこぼれた。


なにどさくさに紛れて浮気疑ってんだよ。



帰るもなにも、俺はどこにも行く気ないよ。



俺、女子への興味が究極に一直線だからね。



「……お前以外興味ないよ」



……むかしから、ね。



Fin



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