【完】爽斗くんのいじわるなところ。
あたしの髪をぐちゃぐちゃにかきまぜて、
そのついでみたいに、
袖で涙をごしごしと拭われた。
「爽斗くんの袖が汚れる……」
「どーでもいい」
爽斗くんは、
肩の上でスクバの肩ひもを握って歩き始めた。
「許してくれるの……?」
「……莉愛に本気で怒るわけないでしょ」
……え?
聞き間違い?
ううん、小さい声だけど
ぜったいそう言った……、言った……。
嬉しくてたまらなくて、
涙腺は緩みかけて、
口許がほころびそうになった時。
爽斗くんはあたしに振り返る。
憐れむように眉根を寄せ、目を細めた彼は
あたしを見下して言った。
「……って言ったら、嬉しい?」
……え!?
「嘘だよ、普通にキレるから」
「……!!」
一瞬、舞い上がりそうなほど嬉しかったのに、
嘘だなんて、そんな……。
爽斗くんは、いじわるだ……。
そのついでみたいに、
袖で涙をごしごしと拭われた。
「爽斗くんの袖が汚れる……」
「どーでもいい」
爽斗くんは、
肩の上でスクバの肩ひもを握って歩き始めた。
「許してくれるの……?」
「……莉愛に本気で怒るわけないでしょ」
……え?
聞き間違い?
ううん、小さい声だけど
ぜったいそう言った……、言った……。
嬉しくてたまらなくて、
涙腺は緩みかけて、
口許がほころびそうになった時。
爽斗くんはあたしに振り返る。
憐れむように眉根を寄せ、目を細めた彼は
あたしを見下して言った。
「……って言ったら、嬉しい?」
……え!?
「嘘だよ、普通にキレるから」
「……!!」
一瞬、舞い上がりそうなほど嬉しかったのに、
嘘だなんて、そんな……。
爽斗くんは、いじわるだ……。