【完】爽斗くんのいじわるなところ。
爽斗くんは、そんな意地悪なひとだけど、



根暗な幼馴染を心配してくれるような

一面もあるの。



だから翌日の放課後も、
あたしの教室まで
迎えに来てくれたんだと思う。



「莉愛ー、帰るよ」



爽斗くんは、いつも堂々としてるけど、
そんな教室の入り口から
叫ばなくてもいいのに……。


「う、うん」


恥ずかしくて俯き気味に帰る準備をしていると
仁胡ちゃんが目を輝かせながら振り返って
あたしの両肩を握った。


「……ちょっと莉愛ちん! あの人だよ! わたしが見た道森東のイケメン!」



「え!?」


「まさか莉愛ちんの彼氏!?」


「ううん、まさか。幼馴染だよ……」


「うわまじか〜。彼女いるの!?」


「いない、と思う」


たぶん。
そう言う話は一度も聞いたことがないから……。



あれ……?
もしかして仁胡ちゃん、


爽斗くんのこと……?


心臓が変に音を立てはじめる。


すると、

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