【完】爽斗くんのいじわるなところ。
前に、爽斗くんに同じことを言ったことがあったんだ。
眼鏡をはじめてつくった中学生のころ。
『眼鏡すると、色んな人と目が合う感じがする……』
『勘違いだろ』
だけど…….視線が集まってるような気がしちゃうの。
かんぜんに自意識過剰だってわかってるよ。
でも、やっぱり。
人を見ると目が合うような……。
『……なにが目合う? 馬鹿じゃないの』
不機嫌な声はあたしを馬鹿にして、
『だったらふだん眼鏡かけなきゃいいでしょ。眼鏡は黒板見るためにだけに使えよ』
そういって、重たくて違和感のある眼鏡を
顔から外されて、
爽斗くんは、うざったそうに顔をしかめて言ったんだ。
『……俯いて歩いてろ、根暗』