【完】爽斗くんのいじわるなところ。
今の話を優心くんにしたら、


「……っ、ぷ、あははっ、サヤらしいなー」


とお腹を抱えて笑われてしまった。


なんで笑うんだろう。


そう思いながら、なんとなく、
眼鏡をした視界を優心くんに向けたんだ。


あ……れ?



「優心くんって……かっこいいんだね」



くっきりの二重の下、
明るい茶色の虹彩とか、肌も綺麗……。


みんなが騒ぐ理由もわかるかも……。



「……な、えと、莉愛ちゃん?」



狼狽えるような声にハッとして、
食い入るように見ていた自分にやっと気づいた。


「ご、ごめん……! じろじろ見ちゃって嫌だったよね……!」


頭をさげてから、目を戻すと、そこには。


赤く染まった頬を
腕で隠しながらそっぽ向く優心くんがいて、


「え……」と思わず声をもらしてしまった。

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