【完】爽斗くんのいじわるなところ。
その時。



——スタン!!


と目の前にギロチンでも落ちてきたのかと思った……。


上から落ちてきて、パタンと机に倒れたのは、数学の教科書……。



目をまんまるにして上を見上げれば、
声も失うほど、怒りに満ちた爽斗くんが居た。


殺気立った冷ややかな目で
あたしを見下ろす爽斗くん……。



「……」



ごくっと、唾を飲み込む。


爽斗くんの腹立たしそうな視線はこんなにはっきりとあたしに向いていて。



「……今莉愛、なんて言った?」


声が小さすぎて、低すぎて、聞こえなかった……。


何でこんなに怒ってるの……?


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