【完】爽斗くんのいじわるなところ。
その背中を呆然と見ていたら、
優心くんに、つんつんと肩をつつかれた。
「ねー莉愛ちゃんは、サヤの顔はかっこいいって思うの?」
「え……?」
「サヤの顔好き? 好みのタイプ?」
なんでいきなり……?
「うーん……」
爽斗くんの顔が好みとか、
そういうのはわからないよ。
だってあたしは爽斗くんが好きだけど
顔が好きだから好きなんじゃないというか……。
もし顔が違っても
爽斗くんのことが好きだと思う。
「爽斗くんの顔見て、そういうの思ったことはないかなぁ……」
「へー♪ じゃ、ちょっとだけ俺の勝ち?」
「勝ちって?」
「なんでもなーい」
にこにこ笑う優心くんにつられるように、
口角を上げて返した。