【完】爽斗くんのいじわるなところ。
莉愛の座る回転いすをくるりと回して、俺と向き合う。
瞳、揺れてる。わらいそー。
そんな怯えなくても
別に怖いことなんてしないよ?
莉愛の座ってる椅子の肘置きに両手をついて、
莉愛を閉じ込めてね、
「……こんくらい近寄んなきゃ見えない」
目と鼻の先にいる
莉愛の瞳が右に左に泳いで、
くちびるを噛みしめて。
真っ赤な顔して、
「そ……そうなんだね」
絞り出したような声でそういってから
莉愛は両手で顔を覆った。
それで、もう降参みたいな声色で、
「……も、どうしていいかわかんないよ……っ」
そんなの言われたら、
心臓の真ん中に
ずんっと重いものが突き刺さる。