【完】爽斗くんのいじわるなところ。

Side 雪本 爽斗(さやと)





ぱち、と目を開けた。


青白い夜明けの色に染まる部屋……。


ここどこ……?

と寝ぼけたのは一瞬。


すぐにここが莉愛の部屋だって気づいて、
体に絡まってるものを見てぎょっとした。



莉愛が、俺の右腕を、
まるで抱き枕かのように抱きしめてる。


「……離して」


慌てて腕を引っこ抜こうとしたけど
これ、感覚がないレベルで痺れてる。


左手で右手を引っこ抜いてやるという
我ながらダサい状況で、
なんとか体制を変えると、


「……、」



莉愛と向かい合うようになってしまって。


長いまつげの目立つ、色白の肌。

柔らかな頬とか。

無防備な寝顔とか。



「……なんで一緒に寝てんだよ」



呆れを通り越してる。


叩き起こすとか
逆に莉愛が俺の部屋で寝るとか、
いくらでも案はあるだろ。


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