【完】爽斗くんのいじわるなところ。
それからたった10分後、
耳もとで大音量のアラームが鳴り響いた。


「……っ!!」


びっ、くりした……。
どんだけ早起きしてんの?


殺風景な莉愛の支度なんて
そんな早く起きる必要ないだろ。


そう思いながら、腕に包まれて寝ている莉愛に目を落とす。


「……ん」


うすく開いた目がぼんやりと俺を捉えて


「……っ、え!?」


と小さく叫んですぐ。


きゃあ、とかいって飛び上がるのかなって思ってた。


そしたら馬鹿にしてやろうかなって
ざまーみろって、そう計画していたんだけど。



「……、」



まさか、俺の胸に
顔をうずめてくるなんて思ってなかったし


「ごめんね……!」


なんのゴメンかもわかんないし。


え……?
なんでそのまま顔うずめてんの?


待って、離れて。なにしてんの。


平気で抱きしめていたはずの俺の腕が
がちがちにこわばっていく。



明らかに焦ってるのは、こっちだ。



「……、なにくっついてんの?」


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