【完】爽斗くんのいじわるなところ。
顎の下に触れた指先が
くいっと、上を向かせる。


視線が絡むと、心臓の音も
くるしいくらい速くなっていく。



瞳、揺れちゃうほど
ドキドキしてるからだよ。



でも、爽斗くんは勘違いしてる。



「……その怯えまくった顔、」



あたしは爽斗くんのこと
怖くなんかないのに。



「――俺以外にみせんなよ」



そう言って、もう片方の髪がほどかれた。


爽斗くんは、あたしが怯えるのが好きらしい。


あたしをいじめるのが


生き甲斐らしい。



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