【完】爽斗くんのいじわるなところ。
あーだこーだとしゃべりながら
教室に着いた。



……仁胡ちゃんといると楽しいな。
クラスが一緒で、苗字が近くて本当によかった。



「どうした?またにやけてない?」


「あ……ううん。仁胡ちゃんに出会えてよかったなぁって思って」


「えーもうなにそれー!」


ぎゅーっと抱きしめられて
おどおどするあたしを
仁胡ちゃんは笑う。


「莉愛ちん、かわいい~」


楽しそうに笑ってる仁胡ちゃんの方が
ずっとずっと可愛い。


「ていうか、莉愛ちん身軽だね? 体操着持ってきてあるの?」


「え?」


「今日1限体育に変わったでしょ?」


「そうだっけ……!?」


「ほら。黒板にかいてあるよ?」


「ほんとだ……。体操着忘れちゃった」


「借りておいでよー」


「うん」


と返事だけはよかったあたしだけど。


借りるって……
一体誰に。


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