【完】爽斗くんのいじわるなところ。
「……ごめんね藤光さん。ちょっと興奮しちゃったっていうか、あたりきつかったよね。これは自分で渡すことにする。アドバイスありがとね!」
自分の気持ちが言えて
人の話が素直に聞けて
ごめんとありがとうが言える蘭子さんに
あたしは
ひとつでも勝てる部分があるのかな。
……って、なんにもない。
あるわけがない。
申し訳なさそうに笑う蘭子さんが
すっごく眩しかった。
胸が苦しくて、ずきずきと痛い。
こういう気持ち、妬むっていうのかな。
こんな自分が嫌になる。
「……さ、爽斗くんは優しいから、」
あたし以外の人には、フレンドリーだし、いじわるなんかしないから……。
「だから蘭子さんの話、ちゃんと話聞いてくれると思うよ」
蘭子さんがくれるのと同じくらいの笑顔を返した。
「うん……、緊張するけど、ぶつかってくるわ!」
「頑張ってね」
聞こえのいい言葉ばかりならべて応援する自分の心が本物じゃないことくらい気付いてる。
あたしって、本当に最低だ。
そんな気持ちの中、
無理やり唇の両端を上げて手を振った。
勇敢な、揺れるポニーテールが、
遠くなる。
自分の気持ちが言えて
人の話が素直に聞けて
ごめんとありがとうが言える蘭子さんに
あたしは
ひとつでも勝てる部分があるのかな。
……って、なんにもない。
あるわけがない。
申し訳なさそうに笑う蘭子さんが
すっごく眩しかった。
胸が苦しくて、ずきずきと痛い。
こういう気持ち、妬むっていうのかな。
こんな自分が嫌になる。
「……さ、爽斗くんは優しいから、」
あたし以外の人には、フレンドリーだし、いじわるなんかしないから……。
「だから蘭子さんの話、ちゃんと話聞いてくれると思うよ」
蘭子さんがくれるのと同じくらいの笑顔を返した。
「うん……、緊張するけど、ぶつかってくるわ!」
「頑張ってね」
聞こえのいい言葉ばかりならべて応援する自分の心が本物じゃないことくらい気付いてる。
あたしって、本当に最低だ。
そんな気持ちの中、
無理やり唇の両端を上げて手を振った。
勇敢な、揺れるポニーテールが、
遠くなる。