【完】爽斗くんのいじわるなところ。
「もしもし。今? 別になにも。暇してたよ」


暇……だったんだ。


あたし、一応来てたのに
そんな風に思ってたんだ……。


落ち込みかけたとき
手招きをしてきた爽斗くん。


はやくこい、って口パクまでされて



あたしは戸惑いながらも
爽斗くんの隣に腰を下ろした。



すると、爽斗くんは無表情で
あたしの髪を摘まみ上げては
さらりと落とすことを繰り返し始めて。



まさか、手元がひまで、
……ひまつぶしにしてる……?


……絶対そうだ。


その間も、爽斗くんは電話を続けている。


あたしはこの間もね、
電話の向こうが気になって仕方ないのに。



……すっごく楽しそうにしゃべるんだね。


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