極上社長からの甘い溺愛は中毒性がありました
椿生は自分の額と畔の額をコツンと合わせながら、手話でそう言う。畔は思わずハッとしてしまう。あの2人きりで歌いピアノを弾いてもらった時間がとても濃密で、重要な事を1つ忘れていたのだ。
畔は頬を赤くしつつ、どう反応していいのかわからずにオドオドとしてしまう。
『俺が帰ってきた時も意識しててくれたでしょ?それは畔も同じ気持ちだって事でいいんだね……?』
『それは………』
恋に慣れていなくても、畔だって一人の女なのだ。
好きな人に抱きしめて欲しいし、キスだってして欲しい。そして、それ以上の事も。
自分の事を独り占めして欲しいし、椿生を独り占めしたい。
『私を椿生のものにしてくれますか?』
『君は…そんな台詞どこで覚えてきたのかな』
困った表情を浮かべる椿生だが、その顔は本当に困っているわけではない。畔にはわかった。
『………そんな言葉、俺以外には言っちゃだめだよ』
『椿生以外、言いませんよ』
『………俺のものだ』