極上社長からの甘い溺愛は中毒性がありました
『おはよう』
『………おはようございます』
彼の鍛えられた腕が布団から出てきて、畔は思わずドキッとしてしまう。椿生もそのまま寝てしまったようだ。昨夜、何回も見た彼の体だが、やはり一晩では見慣れないようだった。
畔が思わず視線を逸らすと、椿生は畔が逃げてしまうと思ったのか椿生は畔の肩を自分の方へと引き寄せた。
『まだ朝早いから寝ていい。畔は………体辛いだろ?』
畔の髪を指でとかしながら、ゆっくりと口でそう伝える。畔が経験がなかったため、どこか痛いのではないか、と椿生は気にかけてくれていたようだった。畔は、昨日の事を思い出すと恥ずかしさが優先してしまうため、なるべく考えないようにしながら、『痛いところはないので……大丈夫だと思います』と、苦笑を浮かべながら返事をした。
『………でも、もう少しこうやっていたいです』
畔は椿生の胸に寄り添いながら、そう手話で伝えると、彼も嬉しそうに『そうしよう』と言ってくれた。
この日の朝は、キスの合間に話をしたり、抱き合ったり、少し鼻歌を歌ってみたり、とゆったりとした時間が流れていた。