極上社長からの甘い溺愛は中毒性がありました
26話「それぞれの夜」
26話「それぞれの夜」
★☆★
この日は、大手企業主催のパーティーが行われてた。普段の叶汰ならば、絶対に参加するはずがなかった。愛想笑いにお世辞トーク、儲け話と欲まみれの視線。それらを全身で感じるこの場所にいるだけで叶汰は気持ち悪くなるのだ。
ハーッとため息をつきそうになった時だった。一人の男性が叶汰に近づいてきた。
「叶汰さん。こんばんは」
「あぁ、一色さん。こんばんは。先日は新作の受注会に来ていただきまして、ありがとうございました」
「購入したコートを早く着たいですね。叶汰さんが作ったものはすぐに売れてしまうから………。受注会にいかなければと、仕事終わりに急いで向かってよかったです」