極上社長からの甘い溺愛は中毒性がありました
叶汰は、ハーッと大きく溜め息をついた後、畔の隣にドカッと座った。ソファがガタッと動く。畔はやっと彼の方を向いた。
どうせ、今でも怒っているのだろう、そう思った。だが、いつもとは違った、心配している様子だった。
『とりあえず、今日は風呂入って寝ろ。そんなんじゃ冷静に話せないだろ?今日は、話さないからな。あと、おまえベット使え。俺はソファで寝る』
畔が断ろうとするが、叶汰は無視して畔に着替えとタオルなどを押し付けた。
『それと……久しぶりにお前の話し声聞けて、なんか懐かしくなった』
『………叶汰………』
『頑張ったな』
『………うん』
椿生とは違う、女の人のような華奢で細い手で、畔の頭をポンポンと撫でくれる。
最近、いや畔の耳が悪くなってから、叶汰は不機嫌な事が多かった。
それがとても懐かしく、安心させるもので、畔は止めるはずだった涙がまた止まることなく流れてしまった。
気がするまで泣けばいいと言わんばかりに、畔の頭を撫で続けてくれた。
ぐじゃぐじゃになった感情を、少しずつ落ち着かせながら、昔からの安心するぬくもりに、身を委ねて、畔は静かに目を瞑ったのだった。