極上社長からの甘い溺愛は中毒性がありました
33話「海のほとり」
33話「海のほとり」
『ごめん……あんな姿見せて』
『さっきから謝ってばかりですよ』
落ち着きを取り戻した椿生は苦笑を浮かべながら、畔に先程から何度も謝ってばかりいた。
畔もそれには困ってしまい、同じく苦笑いを見せた。
『どうして、俺の所に来てくれたんだ?』
『椿生から話しを聞いてないから。椿生が好きだから。それじゃ、だめですか?』
『………畔』
『好きだから、あなたに会いたかった。それにこれで終わりになんてしたくなかったんです。だから、椿生の話を聞かせてくれませんか?』
畔はそう言って彼の瞳をジッと見つめた。彼の瞳がまた揺れるが、それでも畔の方を見てくれる。そして、しばらく考えた後、彼は小さく息を吐いた。
そして、いつものように優しく笑ったのだ。