極上社長からの甘い溺愛は中毒性がありました
『おいしいですっ!』
『それはよかった。畔ちゃんは、おいしそうに食べるね』
そう楽しそうに笑う椿生。そんな彼を見て、畔は胸がきゅんとなり顔が赤くなってしまうのを感じ、咄嗟にだて眼鏡に触れながら、顔を下に向けてパンケーキをまた一口食べたのだった。
『それはなに?』
『ラズベリーです。食べてみますか?』
『うん。食べてみたいな』
そう言うと、椿生は口を開けて畔の方を向いている。
彼が意図している事に気づいて、やっと肌色に戻った頬がまた赤く染まってしまう。
「はい、あーん。うん、本当だ粒々してて食感もいいしおいしいね」
どうすれば良いのかわからずに固まってしまった畔の右手を椿生が掴み、そのままフォークに刺さっていたラズベリーを、畔の手ごと自分の方へと運んだのだ。そして、畔の手からクランベリーを食べると、おいしそうに食べてしまった。
「畔ちゃん、ご馳走さま」
ペロリと唇を舐めた後、微笑む彼はとても楽しそうだった。これは大人の余裕なのか、と感じながら畔は、こくりと頷いたまま、またしばらくの間、顔を真っ赤にさせてしまったのだった。