極上社長からの甘い溺愛は中毒性がありました
「…………っ………」
「君、大丈夫?………申し訳ない」
畔とぶつかった相手がしゃがんで畔の事を心配そうに見ながら、手をさしのべて来た。その男性の姿を見て、畔はドキッと伸ばしかけた手が止まってしまった。
少し垂れ目がちだが大きい瞳に長い睫毛。真っ黒な髪は艶があり、触れたくなるほどにサラサラだった。シュッとした顎と鼻は整っている。だが、それだけではない。「イケメン」と世間で呼ばれる人は、こういう人なのだろう、と見惚れてしまうほどに整っていた。
手を止めた畔だったが、彼はその手を自分から掴み優しく引っ張り、畔を立たせてくれた。
「怪我はしてないかな?」
畔はコクコクと頷くことしか出来ずいるが、立ち上がると同時に先ほど痛みを感じた所が、ズキッと再度痛みが走った。
それを見逃さなかった彼は、「どこか痛むのか………あぁ、足首が赤くなってる捻ったかな」と、彼の手が足に触れられた。彼の温かな指の感触にビクッと体が震える。初対面の男性に素足を触られるなど医者以外にはないだろう。