極上社長からの甘い溺愛は中毒性がありました

 カフェを出ると、すでに薄暗くなっていた。話し込んでしまったせいで、大分時間が経ってしまったようだった。

 椿生は道の端でノートを広げ、また何か書いていたので、畔は覗き込んだ。辺りが暗くなっているが、街明かりで文字はしっかりと見える。

 『この辺りで夏祭りをやってるみたいやんだ。屋台も出てるらしいから、散策しながら、夕食はお祭りのものにしてみたい?』

 その文字を見た瞬間に、畔はすぐに反対側の空いているところに、ペンを走らせた。

 『行きたいです!子どもの頃ぶりだから楽しみです!』

 畔の文字と表情を見た後、椿生は少し何かを考えた後、いつものように優しく微笑んで、返事を書いてくれる。

 『そうなんだ。じゃあ、今まで行けなかった分も楽しもう』

 そう言うと、椿生は畔の頭をポンポンと撫でてくれる。
 
 畔は、口元が緩みっぱなしだなと思いながらも、幸せを実感していたのだった。
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