極上社長からの甘い溺愛は中毒性がありました
『とっても綺麗ですねー!!』
畔はノートに文字を書くのも忘れて、その景色を見て感嘆の言葉を手話で紡いだ。
畔の目の前には、街の光が色鮮やかに輝いていた。高さが低いため、その光が近くに見えて、綺麗さもあるが迫力さえも感じられる。高台が暗いため、明るさもとても強い。畔はそんな景色を立ち尽くして見つめていた。
すると、隣の椿生は畔の手を優しくひいた。
『こっち。ベンチ空いているよ』
そう言うと、空いているベンチへと導いてくれた。そこに座っても夜景を楽しめるのが畔には嬉しかった。
真ん中に椿生のスマホで照らされたノートを置き、それぞれに屋台で買ったものを食べる。交換したり、懐かしい味に感動したりと2人は夏祭りの食事と雰囲気を楽しんだ。
『夏祭り、楽しめた?』
『はい!昔の事を思い出しました。幼馴染みとよく近所の夏祭りに行っていたので』
『そうか。よかった。街中にある夏祭りもなかなかいいね。………明日は仕事だったかな?遅くまで付き合わせてごめんね』
『いえ!私は、楽しかったので……椿生さんは、明日お仕事ですか?』
『そうだね。明日も仕事だけど、畔ちゃんと会えたから元気でた』
そう言って笑う椿生は、「あっ」と何か思い出したような表情見せ、またノートに何かを書き始めた。