極上社長からの甘い溺愛は中毒性がありました
『俺は君に惹かれてる。歌が大好きで、いろんな世界を知りたいと願ったり、とても可愛く笑う畔ちゃんが好きなんだ。だから、俺の恋人になってくれませんか?』
畔はハッとして彼を見つめる。
すると、少し照れた表情を見せながら、真剣な視線を送る椿生はゆっくりと口を開いた。
『あ い し て る。こ い び と に なっ て く だ さ い』
そう口の型をゆっくりと変えながら畔に言葉を紡いだ。聞こえなくてもわかる。
彼が大切に言葉をくれた事を。
彼が自分を「好き」だと言ってくれた。
愛しいと思っていた想い人が、同じ気持ちでいてくれた。恋人という特別になって欲しいと言ってくれている。
それが嬉しくて、畔は瞳からポロリと一粒の涙がこぼれ落ちた。
こんな私を好きになってくれる人が自分の好きな人だなんて。こんなにも幸せな事があっていいのだろうか。
畔はポロポロと泣き続けながら、必死に口を開いた。音は出ない。代わりに、手の動きと合わせて、彼に気持ちを伝える。
『私も好きです』
すると、椿生の顔は今までで1番明るくなった。『ありがとう』という言葉と共に畔は彼に優しく抱きしめられた。
自分だけが彼の特別な笑顔が見られる、恋人になったのだ。
畔は椿生の体温と香りに包まれながら、その幸せを噛み締めた。