極上社長からの甘い溺愛は中毒性がありました
『驚いたよ。まさか、畔ちゃんが来ていたなんて』
ピアノの演奏会が終わった後、すぐに椿生から連絡があり、時間があったら話さないか、と言われ畔は彼の事を待った。
近くの喫茶店に入り、彼はホットサンドイッチとコーヒー、畔はアイスココアを注文した。
平日に会えるとは思ってもいなかったので、不思議な気持ちだったが、彼とこうやって顔を合わせて話が出きるのが嬉しかった。
『ピアノ弾けるなんてすごいですね!音楽会みたいに発表するなんてお上手ですよね?弾いていた曲は何ですか?最後の曲は私の曲ですよね!?』
畔は物凄い勢いでノートに字を書いていく。いつも見れるようにノートを持ち歩いていたのに、椿生は嬉しそうに笑っていたが、あまりに勢いよく字を綴るので椿生は『落ち着いて、1つずつゆっくり話すから』と、言って向かいに座る畔の肩をポンポンッと撫でた。
それで自分が興奮していたと気づき、畔は息をゆっくり吐いてから、頭を下げた。
『すみません……嬉しいことが沢山あったのでつい………』
『いいんだよ。俺はプロである君に見られたことが少し恥ずかしいけどね』
と、言いながら椿生は順番に畔の問いに答えていった。