極上社長からの甘い溺愛は中毒性がありました
『なるほど……そういう事か。俺がもっと上手くフォロー出来ていればよかった。ごめん』
『椿生さんは何も悪くありません』
「おまえに何も出来ないだろ」
『叶汰っ!』
椿生言葉をバッサリと切り捨てそう強く言うと、叶汰はまた畔の方を見た。
『こいつ、なんだよ』
『この人は私の恋人の神水椿生さん』
畔がそう断言する。
すると、叶汰の眉がピクリと動いた。そして、「あぁ」と言いながら、椿生を頭の先から爪先へと視線を向け、ジロジロと見た。
「おまえがあの御曹司か。そんな有名な奴と付き合うのはやめておけ。それに、あんな事をしたら、こうなることは明白だろ。そんな事も予想出来ないお気楽な奴とは付き合わない方が畔のためだ」
『わざと早口で言うのはやめて』
畔は声を出しそうになっり一瞬止まりながらも、大きな動きで叶汰へそう強い気持ちを伝えた。けれど、彼は全く気にしていない様子で、畔に向けて冷たい視線を落とした。
そして、視線でだけではい。言葉もとても冷ややかだった。
『そんなに言いたいことがあるなら、手話じゃなくて言葉で言えよ。歌えるんだからしゃべれるだろ?』