極上社長からの甘い溺愛は中毒性がありました

 『それは何?』
 『………ごめんなさい。音楽の事になると、それだけしか見えなくなっちゃって』
 『いいんだ。そこに書いてあるのは………音?』

 畔が持っていたノートを興味深く見つめる椿生に、畔はニコニコした笑顔でそれを差し出した。
 このノートは畔の大切な宝物だった。

 『ここには、音が沢山詰め込まれているんです』
 『………音』

 そこには、いろいろ音と、音符がズラリと並んでいた。椿生はそれを呆然とした表情で見つめ、ページを捲っていた。

 『私の耳が音を教えてくれなくなってから、日が経つにつれて音を忘れていく事に気づいたんです』

 畔は自分の書いたノートを指で撫でながら目を細め、その時を思い出した。
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