極上社長からの甘い溺愛は中毒性がありました
21話「曲づくり」
21話『曲づくり』
★☆★
その日は最悪の朝だった。
叶汰は目覚ましに起こされ、目を擦りながらスマホを確認する。1番始めに行うのはネットニュースの確認だ。
いつものように有名検索サイトのニュースを開く。トップニュースが目に入るが、いつもならばそれをスルーしてファッション関連を見る。けれど、今日は違った。hotoRiの文字があったからだ。
「なんだ………?」
叶汰はチッと舌打ちをした後に、そのニュースをタップして、画面に開いた。
すると、そこに書かれていた事を目の当たりにして、叶汰は目を大きくし口をあんぐりと開けたまま固まってしまった。
そこには、hotoRiが動画を公開し、一連の騒ぎの謝罪と路上ライブをした理由を説明したと書かれていた。有名人としての自覚が足りないと書かれていたが、それでも歌への気持ちや自由に歌いたいという葛藤は仕方がない事だとも思われているようで、動画を見た人によって様々な感情があるようだ。それでも、ファンはhotoRiが直接動画で話をしてくれたのが嬉しかったようで、喜びの声も多いようだった。
だが、叶汰が驚いたのはそこではなかった。渦中の謎の男は一般人と話した後に、hotoRiにとって大切な人だと明かしたのだ。その言葉が意味する事は恋人だという事だ。
hotoRiは動画で自分に恋人が出来たという事を明言してしまったのだ。
有名人であるhotoRiと、隠しているが有名会社の社長となれば、かなりのスクープになるだろう。それに、結婚した場合、hotoRiは歌手活動を辞めるのか。それも問題視されるだろう。