極上社長からの甘い溺愛は中毒性がありました

 『おかえりはしてくれない?』
 『おかえりなさい……』
 『ただいま』

 そう言うと、椿生の顔がどんどん近づいてきて、畔の唇にキスをした。唇同士が短い時間で離れてしまうが、彼の距離は変わらない。
 椿生は畔の頬に触れたり、髪を優しく指ですいたりして、畔の事を甘やかす。
 最近はそんな時間が多くなってきて、畔は恥ずかしさから少し涙目になりつつも、そんな時間がとても幸せで愛おしかった。

 『まだ慣れない?』
 『そんなにすぐに慣れる事じゃないですよ!』
 『そうなんだ……。そういう所がまた可愛いんだけどね』

 そう言って、椿生は畔にまたキスを落とした。
 今日の彼はいつもより甘い。

 畔はノートパソコンから手を離し、彼の胸にそっと手を置く。それが畔に出来る精一杯のお返しであった。
 それに気づいた椿生はうっすらと目を開けて微笑むと、その手ごと包むように畔を抱きしめた。

 新作の締め切りが迫っているのだから、早くすすめないと。そう思いつつも、彼の甘い誘惑に勝てるはずなどなく、ただただ酔いしれるだけだった。
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