仮面夫婦マリアージュ～愛のない一夜でしたが妊娠しました～

「それは良かったな…俺も安心する…」

「全て…颯真さんのおかげですよ…」

「・・・俺のおかげだけじゃないさ。亜優は自分に自信無さすぎだ。もっと自信持てよ…」

「でも・・・」

「亜優の作る料理は美味いし、性格だっていい…長谷川副社長に奪われなくて良かったと思ってる。一つ悔いがあると言えば…君の処女を愛もなく奪ったコトだな・・・」

「颯真さん！？」


「・・・今はこんなにも愛してるのに…あの時は…でも・・・あの夜がなきゃ今…亜優の中に赤ちゃんは居なかったワケだし…非常に複雑なキモチだ」


「・・・こんなコトを思っていたら、あの夜のやり直しがしたくなった…」

「やり直し？」


「・・・愛のある一夜を過ごしたくなった…」


「颯真さん・・・」


「安定期だし…いいよな？」

彼は遠慮深げに問いかける。

愛のある一夜・・・

私も彼と同じ想いになった。


「はい・・・」