仮面夫婦マリアージュ～愛のない一夜でしたが妊娠しました～

＊＊＊＊＊＊

夜が明けて、今日は日曜日。
颯真さんも休日とあり、私は油断して寝坊してしまった。

「すいません…急いで朝食作りますね…」
「いいよ…」

彼はダイニングテーブルの椅子に腰を下ろし、経済新聞を読みながら、コーヒーを啜っていた。

「でも・・・」

「トースト焼いて、コーヒーも淹れた…朝は適当に食った。これで十分だ」


「本当にいいんですか？」

「いいよ…亜優は完璧に家事や料理をこなそうとするけど…赤ちゃんが生まれたら、完璧にはこなせなくなるぞ。今から手抜きする練習もしとけっ」

「手抜きする練習って・・・」

「まぁ、座れよ…」

彼は新聞を畳んで、立ち上がる。

「待ってろ。俺がトースト焼いてやるから…」

「ありがとうございます…」